大好きなアイドルの休止に寄せて

大好きなアイドルが休止宣言をした。

日本中の、いや、世界中のすべてのファンが衝撃を受け悲しい気持ちになっただろう。私もそのひとりだ。私と同じように、気持ちを言葉にして何かにぶつけないと立っていられない人が沢山いるだろう。同じような内容のブログや何やらが世の中に溢れるだろうし、これもそのひとつだ。




2020年をもって休止します。




鈍器で頭を殴られたような衝撃ってこういうことを言うんだと思った。嘘かと思った。

急いでFCのサイトを確認して、動画を見た。嘘じゃなかった。大好きなアイドルが自ら話していた。


動画を見終わって、ちょっとTwitterで「嘘…」とか言ってみた。まさか自分が(ファンとして)当事者になるなんて。段々何も考えられなくなってきて、目の奥が熱くなった。

こんなに悲しいのって初めてかもしれない。結構涙脆いから映画とかですぐ泣いちゃうけど、そんなのと比べ物にならない。大人になってから悲しくて泣いたことなんてなかった。



私はライトなファンだと思う。FCに入ってはいるものの、番協に行くわけでもなく、足繁くジャニショに通うわけでもなく、雑誌も自担の写りがめちゃくちゃいいやつだけしか買わない。最後に買ったのは大野くんが表紙のMEN'S NON-NOだ。バラエティやドラマも面白くなさそうなら見るのをやめるし、コンサートに行くために名義を複数持つこともなかった。コンサートに行っても自分で団扇を作ってファンサをもらいにいくわけでもない。その程度だ。ネットで他のファンと繋がることもなく、ARASHICなんて使ったこともなかった。唯一真面目にしていたのはCDとコンサートBlu-rayを買うことくらいだ。ライトというかドライだったのかもしれない。それでも、10年以上応援してきた嵐は私の人生そのもので、曲を聞けば元気が出るし、「こんな歌を歌って欲しいな」「こんな仕事をして欲しいな」と色々思い描いた。


だから、突然の休止宣言は悲しくて悲しくて仕方がない。きっとジャニオタじゃない人からすれば「SMAPよりマシじゃん」「逮捕されたわけじゃないじゃん」「解散じゃなくて休止」と思われてるかもしれない。


確かにその通りである。
気持ちを整理する余裕が2年もある。明らかにこれはファンに対する真摯さの表れだと思う。それに文書のみでなく、わざわざ動画で自らの口で発表してくれた。しかも大野くんは「自分が言い出したことだ」「普通の生活がしたい」と背景と理由まで言ってくれた。ここまで言う義務は彼らにはない。様々な憶測が飛び交うのを防ぐためかもしれないが、ファンを思ってのことの方が大きいだろう。素直にその心遣いが嬉しいし、休止までの2年は駆け抜ける嵐を応援させて欲しいと思わせてくれた。



けれど、頭でどんなに理解してもどうしても悲しいし辛い。
メンバーはずっと話し合ってきたというけれど、ファンはそんなの知ったこっちゃない。置いてけぼりだ。これから2年かけて休止を飲み込んでいくけど、嵐を見る度に2020年の終わりを思ってしまうだろう。飲み込んでも消化できないモヤモヤがお腹の下の方に溜まりそうだ。これからもずっと好きだという気持ちは揺らがないけれど、好きと一緒に悲しい気持ちが付きまとってしまいそうだ。


そして何より重くのしかかるのは大野くんの言葉だ。「2020年をもって嵐を終わりたい」休みたいじゃなくて、終わりたい。嵐のファンならここ数年の大野くんの様子には気付いていたと思う。それを見ているとなおのこと「本当に休止なの?」と思ってしまう。自担の気持ちを勝手に推し量って話すのは嫌なので、これ以上は書かないが5人で出した最大の妥協(5人がお互いを慮った結果という意味)が「休止」なのではないのだろうか。動画で4人が言っていた通り「5人で嵐」なのだ。それはずっと5人が言ってきたことで、今もそうなのだろう。だからこそ、大野くんが休みたいと言う今、休止後「嵐」がもう一度見られる可能性が極めて低いように思えた。きっと彼らの描く最悪のケースは「解散」だ。だから、嵐が嵐で居られるように「休止」を選んだのかもしれない。正直、休止の先の再始動を期待できる気がしない。






と、ここまでは会見を見るまでに書いたものだ。(勿体なかったし、会見までの3時間くらいの気持ちをせっかく書いたのだから残しておきたかったので、消さなかった)

最速で会見が見られるということでMr.サンデーを見た。番組の尺に収めないといけないから、それだけでは会見の全てを見ることはできなかったがFCで活動休止を聞いた時のモヤモヤや不安はずっと少なくなって心が軽くなった。あの会見を見て、彼らの誠実さが伝わらない人はいなかろう。(例の"無責任"記者は人じゃないのだろう)


今回の結果は5人が本当に何度も話し合って、全員の納得する着地点を作ったのだと感じた。会見前には私は「妥協点」なんて書いたが、着地点だ。五角形の真ん中を決めたのだ。

印象的だったのは4人の「誰かひとりのことで嵐のことを決められないが、嵐のことで誰かの人生を縛ってもいけない」という態度だった。ニノが大野くんの告白を受けて「はい、わかりました」「事務所に言いましょう」は無責任で出来ないと思ったと話した。相葉ちゃんが「もしリーダーがちょっとでも同じほうを向いていないなら、付き合わせるのも違うなと」思ったと話した。そして大野くんが「嵐でよかった」と涙ぐんで言った。お互いがお互いを尊重しあえるこの関係は20年以上もの年月をかけて培ってきたものなのだ。もうそれだけで「嵐のファンでよかった」と思えた。

そして何よりあの会見はとても「嵐」らしく、本当に奇跡のようにバランスのいい5人だと感じさせてくれた。やはりどうしてもファンとしては、悲しいし再始動する日が本当に来るのかという不安はある。けれど、どんな形であれ5人で嵐だし、一人ひとりがメンバーと、そしてファンのことを考えて出した結果なのだと分かった。解散ではないです、と断言もしてくれた。

今は私たちも期限が来るまで共に走り抜いて見守っていくときなのだ。




お風呂でウォークマンのシャッフル再生で嵐の曲を聴いたら、空気を読んだかのように「言葉よりも大切なもの」「感謝カンゲキ雨嵐」とかが流れてきてまた泣いた。